肉を筋切りする理由は?

肉を筋切りする理由は?

肉の下処理には、筋切りがあります。

 

筋切りとは、スジを切ることです。
たとえば、豚肉の調理では「赤身と脂身の境目に切り込みを入れる」、鶏肉では「包丁の刃もとでたたくようにする」ことでスジを切ります。

 

また、筋切り器を使うこともあります。

 

この一手間により出来栄えが変わります。
筋切りをしておくことで「縮みにくくなる」「反りにくくなる」「噛み切りやすくなる」などの効果が望めます。

 

筋切りは、重要な下処理のひとつです。

 

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筋切りの目的は?

筋切りは、肉のスジを切ります。

 

肉は、3種類の蛋白質により構成されます。
それが、「筋原線維蛋白質」「肉基質蛋白質」「筋形質蛋白質」の3種類であり、筋切りとは肉基質蛋白質を切断することです。

 

  • 筋原線維蛋白質:筋繊維
  • 肉基質蛋白質:結合組織
  • 筋形質蛋白質:色素蛋白質や酵素など

 

少し難しく感じられるかもしれません。
単純に説明するのであれば、筋原線維蛋白質が「筋肉(肉)」、肉基質蛋白質が「筋肉を固定しているスジ」、筋形質蛋白質が「アクとなる部分」です。

 

筋切りは、物理的に結合組織を断ち切ります。

 

肉基質蛋白質(結合組織)には「強靭(とても固い)」「熱変性により縮む(会合する)」などの特徴があり、筋切りをして断ち切っておかなければ「縮むことで肉汁(うま味)が流出する」「噛み切りにくい」などの問題が生じます。

 

これらの問題を生じさせないためにも、スジを切っておきます。

 

肉を固くする3種類のスジ

スジ(結合組織)には、3種類の形態があります。
それが、「腱(リボン状のスジ)」「筋膜(筋繊維を束ねているスジ)」「網目状の立体構造をとっているスジ」です。

 

これらは、異なる目的のために存在しています。

 

  • 腱:リボン状の目視しやすいスジ
  • 筋膜:赤身と脂身の境目にあるスジ
  • 立体構造:肉内部に張り巡らされているスジ

 

種類により処理方法が異なります。
たとえば、腱は目視できることから取り除くことが多く、筋膜はスジを断ち切るように、立体構造は叩くようにして処理されます。

 

その他には、加熱により変質させることもあります。

 

スジは、煮込むことで柔らかくなります。
これは、肉基質蛋白質(結合組織)には70℃以上で長時間加熱されることで「ゼラチン化する」という性質があるためで、ゼラチン化するとゼリー状になります。

 

スジ肉煮込みや角煮がトロトロになるのは、スジがゼラチン化しているためです。

 

内部URL:僕のお弁当。「肉を柔らかくするには?

 

筋切りの方法は?

筋切りには、いくつかのやり方があります。

 

たとえば、豚カツや豚の生姜焼きの下ごしらえとして赤身と脂身の境目に切り込みを入れるのは「筋膜を断ち切るため」ですし、鶏もも肉の唐揚げの下ごしらえとして包丁の刃元でたたくように切り込みを入れるのは「取り切れなかった腱を断ち切るため」です。

 

当然、目視できる腱はそのまま取り除きます。

 

また、立体構造を壊すためには叩きます。
肉叩きの目的は「結合組織による立体構造を壊す」ことが目的ですので、肉内部に張り巡らされているスジに対しては効果的な下処理です。

 

筋切り器を使う場合もあります。
筋切り器とは(剣山のように)複数の刃がついている調理道具であり、手軽に筋原線維蛋白質と肉基質蛋白質を短く断ち切ることができます。

 

加えて、味が入りやすくなるというメリットもあります。

 

肉の固さはスジ(肉基質蛋白質)ばかりが原因ではありません。筋原線維蛋白質(筋繊維)が長すぎると固く感じられますので、繊維を断ち切るように切り分けたり、筋切りを使ってあらかじめ短く断ち切っておくなどの下処理をします。

 

肉の筋切りは、「縮むのを防ぐ」「肉汁(うま味)の流出を防ぐ」「噛み切りやすくする」などの理由で行われます。特に豚肉には肉基質蛋白質(結合組織)が多く、筋切りが必須となる料理もあるほどです。スジは加熱によりゼラチン化しますが、筋切りをしてから煮込むことにより煮込み時間の短縮にもつながります。

 

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